Kwへの道の本題に入る前に、平成3年に行った500W局免許状の申請とその経緯について回顧録を遺しておきます。現在と30年前ではずいぶんと局免取得の方法が変わっています。以下に懐かしい申請書類を掲載いたします。
工事設計書に加えて、送信機系統図をエキサイター・リニアアンプ共に貼付します。
上記の書類4点を送付。平成3年4月18日に予備免許が発行されました。期限は同年10月31日となっています。
予備免許の取得後JARL(日本アマチュア無線連盟)から落成検査前の予備調査を行う旨の連絡がきました。この当時は、500w免許取得にもJARLが大きく絡んでいたのですね。JARLの監査指導員なんて、どうしたらなれるんでしょうか?
上記書類と共に、インターフェア調査票も同封されていました。
同年10月末日までの予備免許を頂いたのですが、その10月になるまで試験電波発射届を提出していませんでした。電気通信監理局からも、工事完了を催促する電話を頂いていたと思います。その原因は余り記憶にないのですが、1.9MHzから28MHzまで使え500w出力に堪えられるアンテナの選定と購入・工事に時間を費やしていたのだと思います。結局選定したのは、垂直系のW(アメリカ)製のButternut HF9V(バターナット)を裏山に建柱しました。この頃は、アンテナアナライザーなど持ち合わせが無く、調整に苦労しましたが、その後は使用せずまったくの落成検査用のアンテナでした。
結局、試験電波発射届は10月10日に提出されました。この段階で、試験電波「本日は晴天なり」もしくは「vvv」は500Wで出力できる状態になりました。
平成3年10月12日、近隣のインターフェア(電波障害)調査を行いました。これは現在でも継承されていますが、当時はテレビへの障害が一番怖かったですね。しかし、自宅の近隣はケーブルテレビ加入者が多く、多少気が楽ではありました。調査票の回収は、監査指導員さん随行で行ったような気もしますが、定かではありません。
同日JARLの監査指導員をお招きしての機器調査です。調査はエキサイターの周波数変位とリニアアンプを接続後の出力検査でした。周波数カウンターや電力計は自前で準備しました。この頃は、スプリアス検査などは行われませんでした。
これをもって、近隣の電波障害調査と機器の事前調査が終了し、信越電気通信監理局へ無線局工事落成届を提出することとなりました。平成3年10月14日の日付が残っています。
その後、印紙代が平成3年4月1日に改正され不足しているとの連絡があり、後納しているようです。
落成検査のために、数回信越電気通信監理局と打合せをしまして、落成検査は12月13日と決定しました。
当日は運転手付きのクラウンに若い郵政技官と郵政事務官がお二人で検査にみえました。軽い雑談の後、ダミーロードを用いた出力検査(バードの電力計を電気通信監理局から持参)に続き、事務官が実際に近隣の家におじゃましてTVI(テレビへの電波障害)を調査しました。ハンディー機で連絡を取り合い各バンドで調査、緊張しました。あらかじめ、一番新しいテレビ受信機をお持ちになりそうなお宅を指定させて頂きました。最後に「どのバンドでも良いので500wで交信してください」と促されCWにて交信。どの局か忘れましたが、ありがとうございました。
最後に無線検査簿に「合格」の書き入れと署名捺印を頂きました。現在の業者さんによる1Kw免許検査に比べるとかなりの緊張感がありましたが、達成感もひとしおでした。
「はい、合格です。それではアマチュア局免許状を手交します」みたいなことを言われて、直接免許状を手渡して頂きました。
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